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臨床経験
鎖骨後方腫瘍の治療経験—特にthorcoplastic forequarter amputationの手技と適応について
著者: 荻野幹夫1 蜂須賀彬夫1 古谷誠1 浅井春雄1 小坂正1 村瀬孝雄1 笹哲彰1 野田栄次郎2 櫻井正則2 岡部英男2
所属機関: 1国立病院医療センター整形外科 2国立病院医療センター胸部外科
ページ範囲:P.781 - P.785
文献購入ページに移動腋窩より鎖骨上窩に至る領域は,前方は鎖骨と大胸筋により,後方を僧帽筋,肩甲骨,広背筋等による壁にかこまれ,深部は触診が困難な部分である.本領域は,上肢への大血管や神経幹以外にリンパ節,粗な結合織,脂肪組織を含み,軟部組織原発性悪性腫瘍の発生が見られるが,腫瘍が相当大きくなるまで圧迫症状を起こしにくいのと,触診が困難なため,診断が遅れがちである.特に再発生の腫瘍の場合,診断が遅れ,上肢への重要な大血管や神経幹に病変が及んだり,胸壁や肩甲骨との剥離が困難で,完全切除が困難な事が多い.これらの腫瘍のうち,肺や頸椎等に遠隔転移を起こし易いものは,大きな侵襲を加える完全切除の対象にはならないものが多いが,遠隔転移が遅く,局所的に再発したり浸潤するものに切除術の適応がある.このような4例の切除術を経験したので報告し,術式5)について述べるのが本文の目的である.
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