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文献概要
カラーシリーズ Microsurgery・8
血管付骨移植術(Vascularized bone graft)
著者: 玉井進1
所属機関: 1奈良県立医科大学整形外科
ページ範囲:P.804 - P.807
文献購入ページに移動従来よりおこなわれてきた自家遊離骨移植術は,骨の血行を無視した"dead bone graft"であるため,移植された骨は一たん壊死におちいり,吸収と置換の経路をたどる運命にある.従って,移植床の条件が悪いときには,骨が吸収されて消失したり,骨癒合が得にくいことが少なくない.
一方,ここで紹介する血管付骨移植は骨の栄着血管を温存して採取し、移植床の血管に吻合して移植する"livingbone graft"であるため,かなりの悪条件下の移植床でも,骨折の治癒過程と同じ経過で生着しうる.本法はいまだ歴史が浅く,1973年頃よりMcCullough,Fredrickson,Östrupらによって犬の血管付肋骨をmicrovascular anastomosisを応用して移植する実験が開始され,1975年,Taylorらにより腓骨を用いての最初の臨床例が報告された.
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