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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科13巻9号

1978年09月発行

文献概要

整骨放談

今日の柔道整復師と整形外科

著者: 片山良亮12

所属機関: 1東急病院 2東京慈恵会医科大学

ページ範囲:P.890 - P.890

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 日本における整形外科的な医学部門は18世紀中頃から次第に独立した形態をととのえてきたが,その伝統の一部は漢方医ないしは漢蘭折衷医に伝えられた.しかし,この伝統も,これら医師の消滅とともに絶えたが,一部は現在の接骨師に引き継がれて今日に至つている.
 日本の接骨師の源は武道救急術に端を発するといわれているが,それはとも角としても前述のように接骨師の歴史は古く,骨折・脱臼の治療に尽した功績は極めて大きい.しかるに,その後,田代義徳先生(東京),松岡道治先生(京都),住田正雄先生(九州)らによりドイツ学派整形外科が,日本に基礎づけられて以来,接骨師と現在の整形外科医の交流は全く絶えてしまつた.それは,整形外科医が当時の接骨師の外傷治療の知識の不足が社会に弊害を及ぼすことを恐れたこと,および当時の整形外科医にとつて接骨師の存在は,今後の整形外科の発展を阻害する恐れありと考えられたことなどから,両者はいつの間にか疎縁になつたのではないかと思う.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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