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No man's landにおける屈筋腱修復術の進歩
著者: 池田亀夫1
所属機関: 1慶応義塾大学整形外科
ページ範囲:P.9 - P.9
文献購入ページに移動従来,この領域における屈筋腱損傷に関する実験的研究はそれ程多くはなく,Lindsay(1960),Potenza(1962)らの業績が有名である.Lindsayはepitenonのみで修復可能といい,一方Potenzaは腱自体による修復はなく,腱鞘または腱周囲組織からの肉芽組織により修復されるといい,換言すれば一時期は必ず周囲と癒着するとした.実験部位は異なるが,Skoog(1954)は腱の修復はparatenonが主役を演じ,epitenonのみでは修復し得ないと両者の中間的見解をそれ以前に述べている.一次的腱縫合法は真に理想的方法と考えられるが.この領域ではPotenzaの説が大勢をしめ,縫合すると術後癒着が必発し,手術は失敗することが多いと信ぜられ,Bunncll以降二次的腱移植術が原則とされてきた.
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