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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科14巻1号

1979年01月発行

文献概要

論述

変形性関節症の進展—組織学的および力学的考察

著者: 二ノ宮節夫1 宮永豊1

所属機関: 1東京大学医学部整形外科学教室

ページ範囲:P.10 - P.16

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 関節は軟骨の老齢化に内在している変化と長年にわたる機械的損傷の蓄積によって退行変性に陥入ると考えられる.すなわち,関節の一次性退行変性は遺伝子的に支配された細胞の機能低下(内的因子)と長年月にわたつて損傷(microinjuries)の蓄積された状態(外的因子)で説明されている.しかし,具体的にこれらの各因子がどのような比重をもち,どのように関与して変性が進展していくかに関しては必ずしも明解な解答はない.
 そこで,これらを説明する目的で各種の基礎的な実験が従来より多数試みられているわけである.たとえば,関節の持続的圧迫10,19,36,39,40),固定14,15,22,32,38),あるいは完全な免荷20,39)により,関節軟骨が退行変性に陥入ることは臨床的,実験的に明らかである.しかし,臨床に近い退行変性を実験的に作製して変性の進展過程をみるには,できるかぎり生理的に近く,かつ極めて徐々に変性が進行する実験モデルが必要となる.HulthやTelhagら23,37)は家兎膝関節を用いて,側副靱帯と十字靱帯の切離,半月の切除により,不安定膝を作り,人間の変形性関節症に類似した慢性の退行変性を発生させた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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