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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科14巻1号

1979年01月発行

文献概要

論述

慢性関節リウマチにおける滑膜切除術の目的と意義—再生滑膜の免疫病理像からみて

著者: 石川斉1 大野修1 広畑和志1

所属機関: 1神戸大学医学部整形外科学教室

ページ範囲:P.17 - P.25

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はじめに
 慢性関節リウマチの局所の関節病変に対して滑膜切除術が古くから行なわれて来た.Mignon1)に始るこの手技はSweet2)によつて確立された.しかしこの滑膜切除術は病変の初期に行なうべきであるとする,いわゆる"early synovectomy"の報告が多い3〜6)
 最近ではさらにFowlerら7)は中等度あるいは高度に破壊された関節でも適切なメディケァーと理学療法を併用すれば必ずしも成績は悪くなく,かつ進行性の関節破壊に予防的役割を果すと報告している.一方アメリカにおけるmulti-centerによる滑膜切除術の成績評価8)を見ると決して満足できるものでなく,いまだに慢性関節リウマチの局所病変に対する滑膜切除術の効果についてはさまざまな評価がなされている.そこで滑膜切除術をおこなつた症例の中から滑膜の生検を行ない得たものと,追加手術を必要としたものの再生滑膜を採取し免疫組織学的検索を加え,その所見を病変の再燃,鎮静という臨床的な問題と関連させて検討してみた.はたして滑膜切除術が慢性関節リウマチという全身病の一つである関節の炎症にどれだけ寄与するのか,またこれによつて臨床的に関節炎の進行は阻止され得るのかなどを免疫組織学的見地より考察する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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