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カラーシリーズ
実験的頸髄圧迫の血管透過性に関する研究
著者: 酒匂崇1 富村吉十郎1 前原東洋1 矢野良英1 大迫敏史1
所属機関: 1鹿児島大学医学部整形外科学教室
ページ範囲:P.966 - P.969
文献購入ページに移動頸髄が急性に圧迫を蒙り損傷されると,中心灰白質に出血巣が形成され,自己崩壊現象により病変は周囲に拡大する現象がみられる.出血巣の周辺灰白質および白質には阻血の所見が著しく,また血管の拡張や造影色素の血管外漏出もみとめられる.2.5%Evans blue bovinealbumine complex(EBA)の静脈注入により血管の透過性亢進状態を観察すると圧迫終了後5時間位までの間にEBAの漏出は最高に達する.血管壁透過性亢進は抗カテコールアミン剤(reserpine,alpha methyl tyrosine,phenoxybenzamine)の投与により著明な抑制をみ病変の拡大がみられない.これは損傷脊髄部にカテコールアミン物質が蓄積され,微小血管の収縮により,血管壁の破綻を生じ血液成分の血管外漏出を来たすというOsterholm説を支持するものと考える.
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