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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科14巻10号

1979年10月発行

文献概要

論述

膝関節伸展硬着に対するdésinsertion du quadriceps(J. et R. Judet)の手術術式と治療成績

著者: 弓削大四郎1 森康1

所属機関: 1山口県立中央病院整形外科

ページ範囲:P.995 - P.1003

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はじめに
 膝関節は強力な屈伸筋群,即ち大腿四頭筋という伸筋群,大腿二頭筋および腓腹筋という屈筋群に包まれた,可動域の大きい反面不安定な要素を内在する露出した傷つき易い関節である.他の関節におけると同じように伸展位と屈曲位硬着をみる.特に伸展硬着は大腿骨骨折や膝関節内骨折,膝蓋骨骨折,脛骨遠位端骨折の後遺症としてみられることが多い.特にこの後遺症は日本人の畳生活にとつては重大なマイナス要素であると共に,その障害者の要望を満足させることは非常に難かしく,常にわれわれ施療の立場にあるものと,受療者との間に期待感のギャップのあることに不満を抱いてきた.
 この伸展硬着の膝関節に対して多くの関節授動術が発表されてきた.その主なもものをあげれば,河野,山田,弓削,Bennett,Payre Thompson,Nicollなどである.これらに共通するものは膝関節周辺の四頭筋の中間広筋を切除したり,その靱帯を延長して可動域の増大をはかつたことである.更に膝上嚢再建術を加味したものであるが,山田はポリエチレン袋を4週間留置して再建をはかり,弓削は自家中間層皮膚を採取して袋を作りこれを包埋した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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