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論述
橈骨神経麻痺について—各種原因による530例の臨床的検討
著者: 屋宜公1 津山直一1 伊地知正光1 長野昭1 高橋雅足1 杉岡宏1 立花新太郎1 大庭浩1 原徹也2
所属機関: 1東京大学医学部整形外科学教室 2都立広尾病院整形外科
ページ範囲:P.1080 - P.1089
文献購入ページに移動橈骨神経麻痺は末梢神経損傷のなかでも比較的多くみられその予後は一般に良好とされている.橈骨神経麻痺に関する文献も数多くみられ今日その病態,治療法,予後等に関しては一応確立された感がある.しかしながらまだ多くの整形外科医にとつて治療法,例えば神経剥離術の適応,時期,あるいは機能再建術に踏みきるべきかどうか等の点については議論の多いところである.我々は過去20年間東大病院および分院整形外科を受診した橈骨神経麻痺530例を調査し損傷程度,治療法および予後等につき検討を加えたので報告する.構成は四肢のそれぞれの区分ごとに外表解剖,筋膜・筋,神経,脈管および骨・関節を系統だつて記述し,特定の部位についてはその局所解剖が詳しく描写されている.この系統だつた記述の合間にX線解剖,穿刺法,手術侵入路,骨折・脱臼の好発部位と分類が織り込まれているから,惹き込まれていく.骨年齢の評価につながる骨核の出現,成長に伴う形態の変化が詳述されているのもゆきとどいている.末梢血管の解剖では特に造影術に詳しく,また,外科的考察という見出しで結紮法,穿刺術,血栓除去法などに触れている.
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