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股関節全置換術におけるfemoral component挿入時の骨髄内圧と肺塞栓
著者: 岩崎勝郎1 吉良秀秋1 深沢俊裕1 平野徹1 小野哲生1
所属機関: 1長崎大学医学部整形外科学教室
ページ範囲:P.1090 - P.1095
文献購入ページに移動股関節全置換術においてfemoral componentが骨セメントと共に挿入される場合,それに伴つて骨髄組織,脂肪,空気などによる肺塞栓がみられることは,Modigら15),Breed1),Herndonsら7),Kallosら10)および今原9)などによつて,臨床的または実験的に証明されているが,その発生原因については骨髄内圧の上昇やmonomerの関与などいくつかの因子が報告されており,必ずしも意見の一致をみていない.また全置換術術中に発生する心停止の原因としてこの肺塞栓があげられているが(Burgess2),Harris6),Phillips17),Hyland8),Greshamら5)),しかしそのような合併症の発生頻度は,現在世界的に行われている人工関節置換術の数からすればきわめて少ないのも事実である.
この研究の目的はfemoral component挿入時の骨髄内圧の計測,家兎に実験的に作成した肺塞栓の組織学的検索によりfemoral component挿入後に発生する肺塞栓の原因とその臨床的意義につき検討を加えることである.
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