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Calcar femorisのない症例に対する全人工股関節置換術—Eichlerのtrochanter plateについて
著者: 藤原紘郎1 尾上寧1 安田舜一1 栗田英明1 松井護1 妹尾泰利1 角南義文2
所属機関: 1水島中央病院整形外科 2岡山大学医学部整形外科学教室
ページ範囲:P.1212 - P.1216
文献購入ページに移動Calcar femorisが全人工股関節置換術(以下T. H. R.と略す)に際し,非常に重要な役割りを果たしているという考え方は一般的のようである.しかし大腿骨頸部内側骨折偽関節でこのcalcar femorisが吸収されている場合や,単純人工骨頭置換術後あるいはT. H. R.後prosthesisのsinkingによつてcalcar femorisが消失している場合にT. H. R.の適応のある症例がある.このようにcalcar femorisのない症例に対してEichlerはprosthesisのcollarの下にplateを置き,大転子と小転子を結ぶ高さでの切断面全体にprosthesisの荷重がかかるようなtrochanter plateを開発している.われわれはEichlerにこのtrochanter plateを直接紹介される機会をもち,このようなcalcar femorisのない症例のT. H. R.に使用し,短期間ではあるが好成績を得ているのでその有用性を症例とともに報告する.
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