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論述
人インターフェロンの抗腫瘍性
著者: 増田祥男1 福間久俊1 別府保男1
所属機関: 1国立がんセンター病院整形外科
ページ範囲:P.131 - P.138
文献購入ページに移動2種のウイルスが同一細胞に同時かまたは相前後して感染すると,どちらか一方のウイルスの増殖が抑制されたり,あるいは両方の増殖が抑制される現象はかなり古くから知られ,これはウイルスの干渉現象(interference)と呼ばれている.1954年に長野,小島はこの現象の原因と思われる因子を発見し,ウイルス抑制因子(virus inhibitory factor)と名づけて発表した.その後,1958年にはこの因子の作用には抗体の関与がない事を証明した.
一方,1957年にIsaacs1)とLindenmannは抗体の関与しない発育鶏卵を用いたin vitroの実験で,ウイルスの干渉現象を引き起こす物質を発見し,これにInterferon(干渉因子)と命名した.
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