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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科14巻3号

1979年03月発行

文献概要

境界領域

Cephalosporin系抗生物質の骨髄内移行濃度について

著者: 桜井実1 松木昇1 植田俊之1 北原博1

所属機関: 1東北大学医学部整形外科学教室

ページ範囲:P.261 - P.268

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はじめに
 人工関節置換術など骨組織に接して大きな異物を挿入する場合の感染予防の観点から,術前に抗生物質を投与する方法がとられているが,散在する菌がかなりの高率でペニシリンに耐性を持つていることから,できるだけ新しい広範囲の菌に作用する抗生物質を用いた方が有利である.
 股関節全置換術を行なつたときの大腿骨近位の骨髄内血液へのcephalothin(CET)の移行濃度は,血清中濃度に比してかなり低いことが見出され,したがつて大量の投与の望ましいことをすでに発表したが1)(整形外科,29巻,485P),その後cefazolin(CEZ)および新しい抗生物質SCE-963について同様の検索を行なつてみたところ,逆に骨髄内の方が高濃度である例にかなりの頻度で遭遇した.これは生体内のesteraseによつてCETが分解される機序が関係しているらしいことが想像される.以上3種類のcephalosporin系抗生物質の骨髄内移行濃度について検索した結果を報告したい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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