icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科14巻4号

1979年04月発行

文献概要

特集 脊椎外傷—早期の病態・診断・治療—(第7回脊椎外科研究会より)

頸椎脱臼,骨折に対する前方手術の経験

著者: 今井健1 十川秀夫1 石川正志1 横山良樹1 藤原紘郎1 安田金蔵1 村川浩正1 那須正義2 中原進之介2

所属機関: 1岡山労災病院整形外科 2岡山大学医学部整形外科学教室

ページ範囲:P.347 - P.353

文献購入ページに移動
はじめに
 頸椎の脱臼や骨折の多くは脊髄麻痺を伴うが,その程度は完全麻痺からごく軽度の不全麻痺のものまでさまざまである.従来頸椎脱臼,骨折に対しては頭蓋牽引による長期の安静固定が主として行なわれており,手術的には椎弓切除術や後方固定術が行なわれていたが,受傷早期の椎弓切除術は損傷された脊髄に対してさらに損傷を加える危険性があるし,脱臼や骨折によつて不安定になつている脊柱をさらに不安定にする可能性があるとして最近では疑問視されるようになつた.これに対して本邦では中野や石川らにより,頸髄損傷に対して早期の前方除圧,固定術の優秀性が報告され多く行なわれるようになってきた.頸椎前方経路による手術の利点は,麻痺の原因となつている脱臼,脊椎管内へ陥入した骨片や椎間板などの病変を直視下に安全に手術ができ,除圧としつかりした固定を同時に行なえることである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら