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特集 脊椎外傷—早期の病態・診断・治療—(第7回脊椎外科研究会より)
神経合併症を伴う脊椎損傷(胸椎,腰椎)の早期手術療法—Harrington instrumentationによる整復,除圧,固定
著者: 金田清志1 本間信吾1 樋口政法1 野原裕1 小熊忠教1 藤田正樹1 松井繁2 藤谷正紀3 土谷允男4
所属機関: 1北海道大学医学部整形外科学教室 2桑園中央病院整形外科 3北海道整形外科記念病院 4美唄労災病院整形外科
ページ範囲:P.377 - P.386
文献購入ページに移動脊髄あるいは馬尾神経の合併症を伴う胸椎腰椎損傷の治療は古くから論議されている問題であるが,その目標は損傷神経機能の回復と損傷脊柱の支持性と安定性の獲得である.
脊椎損傷の治療を振りかえってみると,1920〜1930年代はDavis6),Rogers,Böhler,Watson-Jonesらによる脊柱過伸展による整復とその後のギプスジャケット装着であつた.Albee(1940)は観血的整復と骨移植を行なつた最初の人である.Stanger(1947)37)は43人の胸椎腰椎脱臼骨折の過伸展整復による保存療法も,手術療法も整復された損傷脊柱に高率に変形再発をみた.Guttmann(1949)13)は開放損傷以外は早期手術療法の適応はなく,背臥位による保存的整復法を強調した.Nicoll(1949)30)は過伸展による保存療法の結果が不満足なものであり,胸腰椎部骨折は安定型と不安定型に分けられるべきとした.
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