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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科14巻5号

1979年05月発行

文献概要

カラーシリーズ 整形外科医のための免疫学・4

移植と腫瘍免疫—腫瘍免疫のモデルとしての移植免疫について

著者: 張紹元1

所属機関: 1帝京大学整形外科

ページ範囲:P.420 - P.423

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 近年の移植手術の進歩は,外科領域に多大の進歩をもたらした.古くから行なわれている皮膚や骨移植に加えて,近年では腎移植やその他の臓器移植も,盛んに行なわれるようになってきた.
 ところで,我々整形外科医は,誰でも知っていることであるが,皮膚移植を行なう場合,患者自身の皮膚は活着するが,一卵性双生児を除き,他人の皮膚は活着しない.このように自己の皮膚以外の皮膚が活着しないのは,移植した皮膚に対して,移植を受けた方(recipient)が免疫反応を起こすためである.即ち移植された皮膚(あるいは臓器)と,移植を受けたrecipientの間に,組成の異なるものがあると,recipientは当然この組成の異なる物質を非自己のものと認識し,この物質に対して免疫反応を起こす.この結果移植片が炎症を起こし,破壊されて脱落する.このように,その化学組成の違いによって,移植の際に抗原となって働き,recipientに免疫反応を引き起こす刺激を与えるものを,移植抗原または組織適合系抗原と呼び,このために生じる免疫反応を,移植免疫反応と呼んでいる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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