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症例検討会 骨・軟部腫瘍18例
症例16—左脛骨骨腫瘍
著者: 岡田聰13 吉田憲一13 明松智俊13 広畑和志23 水野耕作23 梁復興23 稲用博史23
所属機関: 1神戸大学中検病理 2神戸大学整形外科 3日本整形外科学会骨・軟部腫瘍研究会
ページ範囲:P.504 - P.507
文献購入ページに移動主訴:左下腿部荷重時痛.家族歴および既往歴:特記事項なし.現病歴:昭和51年12月頃から左下腿部に荷重時痛が出現し,翌年1月某医を受診した.レ線像(第16-1図)にて,左脛骨近位部に小児手拳大の骨吸収縁が発見された.この病巣は一見多房性で,骨皮質は一部やや非薄化しているが,膨隆や骨膜反応はない里近位部には骨硬化像があるがepiphysisは侵されていない.某医にて良性骨腫瘍として病巣掻爬および骨移植術が施行されたが,約4ヵ月後に手術創部が膨隆してきたため,52年10月に再手術が行なわれた,その時の組織診で悪性腫瘍の疑いがあるといわれ,翌月神戸大整形外科に転科してきた.本学で生検をかねて手術を施行,悪性腫瘍と診断し,局所灌流の後左大腿切断術を施行した.本年7月現在,患者は社会復帰して元気な日常生活を過している.
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