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文献概要
症例検討会 骨・軟部腫瘍18例
症例17—左大腿中央部腫瘍
著者: 伊藤慈秀14 水島睦枝14 西原幸一14 坂手行義24 遠藤徹34 渡辺俊介34
所属機関: 1川崎医科大学病理 2川崎医科大学整形外科 3渡辺病院 4日本整形外科学会骨・軟部腫瘍研究会
ページ範囲:P.507 - P.509
文献購入ページに移動病歴:昭48・10(68歳)自覚症状のない皮下腫瘤1個が左大腿中央外側部に発生し,昭50・3摘出.腫瘤は長径1.7cm大,長楕円形で硬く,境界鋭利で下部組織との癒着はなかつた.摘出約2年後,同一部位に同様な皮下腫瘤が生じ,徐々に増大したため,昭52・6摘出.再発腫瘤(第1回)は3×2.8×2cm大,結節状で境界はきわめて鋭利,被膜なく,割面は線維充実性で,灰白色を呈し,特異な模様はなかった(第17-1図).第1回再発腫瘤摘出約9ヵ月後,再び同一部位に長径1.5cm大,扁平な長楕円形の第2回再発皮下腫瘤がみられ,一部表層筋膜と連続していた.この第2回再発腫瘤摘出後約3ヵ月目に,再び同一部位に1.5×4cm大,扁平長楕円形で境界不明瞭な第3回再発腫瘤が摘出された.この腫瘤は主に皮下組織内にあつたが,明らかに真皮深層を侵し,数ヵ所で表層筋膜とも連続し,また中心部では出血壊死がみられた.
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