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論述
整形外科におけるmicrodissection techniqueの応用
著者: 清水豊信1 玉井進1 保利喜英1 龍見良隆1 坂本博志1 梅垣修三2 広岡靖隆2
所属機関: 1奈良県立医科大学整形外科学教室 2東大阪市立中央病院整形外科
ページ範囲:P.560 - P.567
文献購入ページに移動Microsurgeryの歴史は古く,1922年Nylen & Holmgren1)が耳硬化症の手術に双眼顕微鏡を使用したのが最初とされており主として耳鼻科,眼科領域に応用されてきた.しかし整形外科においてmicroscopeが使われ始めたのは,1960年Jacobson & Suarez2)がmicrovascular anastomosisの手技を紹介してからのことであり,主として切断肢・指再接着術に応用された.1962年Kleinert & Kasdan3)が不完全切断母指の再接着にはじめてmicrovascular anastomosisを応用し,1965年小松,玉井4)が完全切断母指の再接着に成功して以来,世界各国で数多くの成功例が報告されており,さらに皮弁,骨,筋肉など各種複合組織の移植に広く応用されるようになつた.
一方,脊髄外科の分野でも1954年Greenwood5)によりはじめてbipolar coagulatorが応用され6例の髄内腫瘍の摘出がおこなわれたのを契機として手術の微小化が進み,1963年Kurze6)により拡大鏡をもちいた脊髄のmicrosurgeryの試みがなされた.その後Yasargil7),Rand8),辻9)らにより近年の本格的な手術手技がほぼ確立されるに至つている.
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