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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科14巻7号

1979年07月発行

文献概要

手術手技

Charnley人工股関節置換術における大転子鋼線締結固定法について

著者: 津布久雅男1

所属機関: 1国立療養所村山病院整形外科

ページ範囲:P.655 - P.660

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はじめに
 Charnleyの低摩擦関節形成術4)は股関節全置換術の中でも,歴史も古く最も完成された手術法とされ,これを採用する外科医は多い.わたくしも昭和47年にこれをはじめてから,以後2回におよぶ英国留学の間,度々Wrightington病院を訪ね,その実際を見,また実際の経験を通して,手術手技の熟達につとめてきた.しかし,股関節の状況は,疾患によりまた症例によつて様々であり,いろいろな問題が提起されてくるのが現実である.この問題の一つに,大転子切離による外側侵襲法と大転子鋼線締結固定法がある.この侵襲法は患者を仰臥位とし,外側縦斜切開2)により皮膚と腸脛靱帯を切開し,大転子は関節包内で転子窩(Fossa trochanterica)から外側広筋起始部(vastus lateralis ridge)の直上部に向つて線鋸で切離する.したがつて,関節包は臼蓋外側から大転子まで連続して温存され,小殿筋が入工関節に直接接触するのを妨げる.この侵襲法は視野が広く,骨盤や臼蓋,大腿骨頭の手術操作が容易であることや,大転子の下降や外方移行等,中小殿筋の緊張状態を調整できる利点がある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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