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変形性膝関節症に対する楔状足底板の効果—その静力学的機序に関する検討
著者: 安田和則1 加藤哲也1 佐々木鉄人1 須々田幸一1 八木知徳1 門司順一1 清水一由1
所属機関: 1北海道大学医学部整形外科学教室
ページ範囲:P.677 - P.682
文献購入ページに移動変形性膝関節症の治療として,近年high tibial osteotomyや人工膝関節置換などの手術的療法が好成績をあげているが,保存的治療はなおも重要な治療法であることに変わりはない.その保存的治療法の一環として,楔状足底板は最近多く用いられ,その有効性はかなり高いことが,経験的に知られている.しかし,この治療法に関する報告は極めて少なく3,12),その効果のメカニズムについても,いくつかの仮説はあるものの推論の域を出ていないのが現状である.
我々は今回,楔状足底板の効果のメカニズムについて,静力学的な面より検討を加えた.従来より考えられている静力学的仮説のうち,我々が信頼性があると考えたものは次の4つである.
1)足底の外縁で接地するようになる.
2)大腿骨脛骨角(FTA)が外反化する.
3)距骨下関節で踵骨が外反化する.
4)起立脚全体は,鉛直線とある角度で傾いて起立するが,この角度が変化する.(下肢全体の空間的位置が変化する).
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