icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科14巻8号

1979年08月発行

文献概要

論述

先天性股関節脱臼の保存的治療後の臼蓋形成不全症の病因に関する検討—臼蓋唇の変化の意義について

著者: 細谷徹1 高岡邦夫1 吉岡順朗1 井上明生1 小野啓郎1 高瀬忠2

所属機関: 1大阪大学医学部整形外科学教室 2星ケ丘厚生年金病院整形外科

ページ範囲:P.738 - P.747

文献購入ページに移動
 先天性股関節脱臼(以下,先天股脱と略す.)は保存的治療後も,なお臼蓋形成不全を遺残することがあり,治療の完全を期する意味からはその防止こそが先天股脱治療の究極の目的といえよう.一方,臼蓋形成不全症によると思われる二次性股関節症の症例は,今なお多数見られるが,その多くに先天股脱の既往がある.整復された脱臼がどうして臼蓋形成不全症に移行するのか,また臼蓋形成不全症が如何なる機序で関節症を招くのかは,しかしなお推察の域を出ないといつても過言ではない.乳幼児期に存在した先天股脱の病態と成長後の臼蓋形成不全症との因果関係を知ることの重要さがここに明らかとなる.
 乳幼児期における保存的治療後,臼蓋の成長過程は症例によつて一定しない.大部分の症例では,脱臼の整復後,臼蓋形成不全は急速に改善し正常な股関節に成長する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら