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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科14巻8号

1979年08月発行

文献概要

論述

水溶性造影剤Metrizamideによる脊髄造影法について

著者: 宮坂斉1 井上駿一1 田中正1

所属機関: 1千葉大学医学部整形外科学教室

ページ範囲:P.765 - P.773

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はじめに
 水溶性造影剤による脊髄造影はArnell & Lindstromら5)のsodium iodomethanesulfonate(Abrodil)の使用が嚆矢とされている.しかし,Abrodilは強い神経刺激作用があり,そのため腰椎麻酔を必要とするという欠点があつた.元来,水溶性造影剤は油性のものと比べ髄液とよく混じるため’脊髄腔内にまんべんなく行きわたり微細な病変までよく描出すること,容易に吸収されるため検査後の吸引排除が不必要であるなどの利点を有しているが,神経組織に対する刺激性が常に問題とされてきた.Abrodilに次いで登場したmeglumin iothalamate(Conray)はより毒性が少なく,麻酔を必要としなかつたが痙攣の発生例があり,meglumin iocarmate(Dirax)に至つてもその刺激作用は皆無とはいえず13),脊髄円錐部以上の高位ではiophendylate(Myodil)が用いられてきた.
 近年,Norwayで開発されたmetrizamide(商品名Amipaque)は主としてヨーロッパにおいて従来の水溶性造影剤にみられた重大な副作用のない理想的な水溶性造影剤として評価され,最近では米国においてもFDAで認められ盛んに使用されるようになつた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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