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論述
脳血管障害性麻痺下肢の動的足部変形に対する前脛骨筋腱移行術の適応
著者: 有川功1 北井寛2 井上善一3
所属機関: 1星ケ丘厚生年金病院理学診療科 2国立奈良病院整形外科 3公立小浜病院理学診療科
ページ範囲:P.774 - P.782
文献購入ページに移動脳血管障害性片麻痺患者の動的足部変形に対する手術療法は各種の方法が報告されており,いずれも歩行を可能にし,円滑にし,安定せしめる点でその有用性が強調されている.しかし,千差万別ともいえる脳血管障害患者の"運動障害"さらには"歩行障害"の理解,評価,分析方法が未だ確立されていないこともあつて,この適応・術式その他細部では今なお未解決の問題が山積しており,この点での更なる検討が必要と考える.
著者らは運動療法の限界に達した,またその過程の脳血管障害性麻痺下肢に対し,歩行能力または安全性を高めることを意図して手術療法における試行錯誤を繰り返してきた.これらの経験を通して「緊張と疲労の少ない歩行」さらには「努力感の少ない歩行」に導くという点では前脛骨筋腱移行術施行例には種々問題のあるものが多く,強く反省させられた.そこでこの周辺の問題を整理する中で,片麻痺性動的足部変形に対する本手術の適応を改めて検討してみたい.
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