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臨床経験
肘関節に発生した離断性骨軟骨炎25例の検討
著者: 三浪三千男1 中下健1 石井清一2 薄井正道2 村松郁夫2 荻野利彦2 福田公孝2 菅原誠2
所属機関: 1北海道整形外科記念病院 2北海道大学医学部整形外科学教室
ページ範囲:P.805 - P.810
文献購入ページに移動離断性骨軟骨炎は1870年にPagetによつて骨壊死としてはじめて記載され,ついで1888年にKonigが離断性骨軟骨炎と命名したとされている13).しかし本症において関節軟骨のごく一部が軟骨下骨組織を含んだまま関節面から剥離する機序については諸説があり,いまだ明確にされていない.
本症は膝関節,肘関節、足関節および股関節の順に好発するが,なかでも膝関節での発生頻度は80%である3).したがつて膝関節の離断性骨軟骨炎に比べて肘関節における本症の報告はきわめて少ない.われわれはこれまで肘関節の発生例を25例経験している.これらの症例は肘関節の安静を保たせたうえで経過を観察したのみの保存的観察群と関節腔内に剥離した骨軟骨片を摘出した手術的治療群とに分けることができる.今回はこのように異なつた治療群の臨床症状およびX線学的所見の推移を観察し検討した.さらに保存的観察群をとくに対象として,これらの症例のX線学的変化を左右する諸因子を分析してみた.
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