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手術手技
股関節創外圧迫固定法—慢性化膿性ならびに結核性股関節炎への試み
著者: 津布久雅男1
所属機関: 1国立療養所村山病院整形外科
ページ範囲:P.892 - P.899
文献購入ページに移動年長児期の股関節感染症は抗生物質の相次ぐ開発で,早期に適切な治療が行われれば決して悲観的ではない.しかし稀に骨髄炎に進行して瘻孔形成を繰り返すものや破壊性脱臼をおこすものは治療の困難なものが多い.また成人期での慢性化膿性関節炎や関節結核も多くの問題が提起される.このような症例に対しては病巣の廓清と抗生物質の計画的使用が不可欠で,炎症再燃の予防および歩行やその他の日常生活動作を容易にするという点からも関節固定術は今なお実際的で極めて有効な治療法である.
昭和50年以来,わたくしは7例の感染性股関節炎(化膿性関節炎3例,結核性関節炎4例)に対して,創外圧迫固定装置を作り,これを用いて関節固定術を試みた.症例も増すごとに技術上の進歩もあり,問題点もかなり煮つまつてきたので報告する.
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