icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科14巻9号

1979年09月発行

文献概要

シンポジウム 最近の抗リウマチ剤の動向

金製剤

著者: 橋本明1

所属機関: 1東京大学医学部内科物理療法学教室

ページ範囲:P.906 - P.914

文献購入ページに移動
 1890年,Kochによつて金塩が試験管内で結核菌の発育を阻止することが見出されて以来,金は結核や梅毒に対して試用されてきた.当時リウマチや紅斑性狼瘡も結核に起因する疾患と考えられていたため,金はしだいにこのような疾患にも用いられるようになつた,欧州において最初に慢性関節リウマチ(RA)に金を使用してその効果を報告したのはForestier1)である.その報告に刺激されて,1936年には米国でも慢性関節リウマチの金療法の報告2)がみられるようになつた.本邦においては1958年の大島ら3)の報告が最初である.金は現在もほとんど慢性関節リウマチにかぎつて使用されているが,その臨床効果はほぼ確立されたものとなつている.近年測定技術の進歩に伴い,その血中膿度・吸収・排泄などの生体内金代謝動態がしだいに明らかにされつつあるが,抗炎症剤としての金の作用機序は未だ充分に解明されていない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら