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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科14巻9号

1979年09月発行

文献概要

シンポジウム 最近の抗リウマチ剤の動向

D-ペニシラミン

著者: 内田詔爾1

所属機関: 1都立墨東病院リウマチ科

ページ範囲:P.915 - P.922

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はじめに
 D-Penicillamine(以下D-Pcと略す)はペニシリンの加水分解で分離されるα-アミノ酸の一種であり,以前よりキレート作用があることが知られて,ウィルソン病や金属中毒あるいはシスチン尿(結石)症に対する治療剤として使用されている.
 1957年Deutschら1)によりD-Pcのマクログロブリンに対する解離作用が発見され,DresnerやTromblyら2),Griffinら3)がD-Pcを慢性関節リウマチ患者に使用した.いずれもリウマトイド因子と臨床症状の改善が認められたと報告している.その後外国および国内でD-Pcの慢性関節リウマチ(以下RAと略す)に対する有効性が研究され,有用であるという治療成績の報告4〜9)が多く,欧州を中心に適応症として認められつつある.D-Pcの抗リウマチ効果は,蛋白変性抑制作用,蛋白質解離作用,細胞性免疫に対する作用などで説明されようと試みられたが明らかでない.D-Pcはリウマトイド因子や免疫応答に何らかの形で作用し,抗リウマチ効果に関与していると想像されている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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