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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科14巻9号

1979年09月発行

文献概要

シンポジウム 最近の抗リウマチ剤の動向

免疫調整剤

著者: 吉野槇一1

所属機関: 1日本医科大学第一病院理学診療科

ページ範囲:P.923 - P.924

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 関節リウマチ(RA)の原因は不明であるが,その進展には,異常免疫反応が関与していることは,周知の事実である.効果的な治療を行うためには,原因が不明である以上,現状では完治を目標とせず,その進展を阻止すればよい.その手段は異常免疫反応を抑制するか,または,観点を変えて免疫反応の異常を修正し,正常にもどすかである.異常免疫反応を抑制する薬剤には,アザチオプリン,サイクロファスファマイド,解釈に多少問題はあるが,金製剤,D-ペニシラミンなどがある.これら薬剤は正常免疫反応も抑制してしまうという欠点を有している.理想的には,異常免疫反応のみ抑制する薬剤があればよいのだが,残念ながらまだない.最近の免疫学の進歩で,RAの免疫反応で次のような異常があることが分かつてきた.
 1)多くの抗原に対する遅延型皮膚反応が抑制されている.
 2)病的滑膜,または関節液中のリンパ球が,PHAまたはConcanavaline Aに対し,その反応が弱い.
 3)これらリンパ球のSubpopulationでT-cellのパーセンテージが減少している.
 4)多核白血球やマクロファージの遊走能や貪食作用が減少している.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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