icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科14巻9号

1979年09月発行

文献概要

シンポジウム 最近の抗リウマチ剤の動向

免疫抑制剤

著者: 居村茂明1

所属機関: 1国立加古川療養所

ページ範囲:P.925 - P.932

文献購入ページに移動
はじめに
 抗癌剤が免疫抑制効果を持つことは,すでにその開発の初期より知られていた.また,Hektoen等がnitrogen mustardの一種であるdichloretylsulfidを兎,犬に用いて,異種赤血球に対する抗体産生が抑制されることをみたのは,遠く1921年のことである22).しかしこの免疫抑制作用が,臓器移植における拒絶反応の抑圧を経て,結合織,肝,腎疾患のもつ免疫異常の抑制に利用されだしたのは,華ばなしく登場したステロイド剤の使用が,ようやく反省期に入つたここ10〜15年のことである.
 RA,SLEを始め,結合織病と呼ばれる疾患群は,病因との関連が,いかほどのものかなお不明な点が多いものの,少なくともその病態の一部に,免疫機構の異常により表明される症状を持つている.いわゆる,鎮痛抗炎症剤は,この免疫異常に対し正常?の反応として起こつた炎症過程に介入することによつて,これら疾患の治療に利用されてきたのであるが,これを一歩進めて免疫機構そのものに介入して,治療効果を得ようとするのが,免疫抑制療法の狙いであり,理論上は治療の幅を拡げる福音でもあるが,残念ながらその作用は,非特異的で,このために実際上の,あるいは理論上予想される副作用(むしろ主作用そのものであるが)が少なくなく常に警告と共に試用されてきた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら