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骨腫瘍における99mTc-diphosphonateの集積部位について
著者: 奥野宏直1 石田俊武1 林俊一1 高見勝次1 野村正2 大向孝良2 田中治和2
所属機関: 1大阪市立大学医学部整形外科学教室 2日生病院整形外科
ページ範囲:P.933 - P.943
文献購入ページに移動骨シンチグラフィは,骨腫瘍をはじめ各種骨疾患に広く応用されている.しかし骨シンチグラムでは,骨腫瘍,骨の炎症,骨の壊死または骨折などに陽性像が見られるため,疾患特異性が得られない.それゆえ,主として骨内病巣の部位や範囲を正確に知るためや,各種骨疾患の治療効果の判定に用いられている.
Bone-seeking agentとして,従来より47Ca,85Sr,87Sr,67Gaなどが使用されてきたが,被曝線量,半減期,入手の難易,価格などで使用に際して種々の制約があつた.しかし,1971年subramanian1)により開発され,紹介された99mTc標識燐酸化合物(以下99mTc-Pと略す)は,99mTcのため半減期も適当であり,被曝線量も少なく,大量投与が可能である.しかも99mTc-Pは血中よりの排泄が早く,骨集積性に優れており,鮮明な像が得られる.従つて現在では99mTc-Pがbone-seeking agentとして広く利用されている2〜5).
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