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臨床経験
原発性副甲状腺機能亢進を示した2症例
著者: 荻野幹夫1 蜂須賀彬夫1 村瀬孝雄1 古谷誠1 浅井春雄1 小坂正1 小杉雅英1
所属機関: 1国立病院医療センター整形外科
ページ範囲:P.952 - P.956
文献購入ページに移動原発性副甲状腺機能亢進症(primary hyperparathyroidism)は1926年Aubによつて最初に命名されて以来,Albright1〜3),Cope7〜10)等によつて急速に病態生理が明らかにされた疾患である.本症は整形外科,内科,泌尿器科各領域に関係のある疾患で,副甲状腺ホルモン(PTHと略)の分泌過剰が直接の機序であるが,副甲状腺自体の病変のみならず,多くの腫瘍による同腺の刺激物質やPTH様物質の産生によつてもおこり得る.本症の頻度は,中検検査部生化学所見で高Ca血清を示すものより推定すると,5000〜6000検体に1例の割合39)で,我国全体では,人口比0.01%として10000人前後と考えられる35,39).本文の目的は,本症の2例を報告し,文献的考察を加える事である.
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