臨床整形外科15巻10号

1980年10月発行

臨床経験

人工股関節置換術における膀胱内骨セメント流入の1例

著者： 木下勇¹ 森本博之¹ 田岡博明¹ 三好史郎² 滝川昊² 林一幸² 正木国弘²

所属機関： ¹徳島大学医学部整形外科学教室 ²高松市民病院整形外科

ページ範囲：P.966 - P.969

はじめに
　人工関節置換術が普及した昨今，種々の合併症の報告も少なくない．我々は外傷性股関節症に対して人工股関節置換術（以下THRと略す）を施行し，術中に寛骨臼底から骨セメントが膀胱内に流入するという非常にまれな1例を経験したので考察を加えて報告する．