icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科15巻10号

1980年10月発行

文献概要

臨床経験

関節破壊の著しい膝関節に対する慶大式人工関節置換術の経験

著者: 斉藤聖二1 伊勢亀冨士朗1 冨士川恭輔1 戸松泰介1 竹田毅1 磯田功司1

所属機関: 1慶応義塾大学医学部整形外科学教室

ページ範囲:P.988 - P.992

文献購入ページに移動
はじめに
 最近人工膝関節は工学的背景の進歩によつて,多種多様なデザインが開発されているが,それは,hinge typeとhingeless typeに大別される.Hingeless typeは,支持性の面で,hinge typeに劣ることは当然である.一般にhingeless typeのsurface replacement型は,その支持性を軟部組織に依存するために,大腿骨や脛骨関節面に著しい破壊のあるものや,高度の内外反変形または不安定性の著しい関節等に対しては,適応がないとされている.
 我々は,従来より進めてきた,biomechanicsの知見を基に,慶大式人工膝関節を開発し,1972年以来臨床に応用してきた.慶大式人工膝関節は,hingelessのsurface replacement型ではあるが,関節自身に,運動の誘導機構と,異常運動に対する制御機構を備えており,一般のsurface型人工膝関節に比べて,その適応範囲は広いものと考える.最近,我々は高度の関節破壊,外反変形および不安定性のために,歩行困難であつたR. A.症例の両膝関節に慶大式人工膝関節置換術を行い,現在までの所,満足すべき結果を得たので報告する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら