文献詳細
文献概要
臨床経験
教室における大腿骨転子部骨折の治療成績
著者: 横山巌1 室田景久1 中島育昌1 根本文夫1 串道昭1 藤井正和1 大森薫雄2 長谷川芳男3 川田英樹3
所属機関: 1東京慈恵会医科大学整形外科学教室 2神奈川県立厚木病院整形外科 3東松山整形外科病院
ページ範囲:P.1041 - P.1049
文献購入ページに移動大腿骨頸部骨折のうち,外側骨折は内側骨折にくらべ,骨癒合が比較的良好で(伊丹ら9)1971),保存的治療により十分な成績が得られることは,従来から強調されているところである(Murray19)1949,天児1)1961,西尾ら21)1971).しかしながら,老齢化社会が進み,頸部骨折患者の中でも,高齢化が目立ちはじめている現在,長期間の臥床中に発生する既往症の増悪や,新たに発現する続発症が高齢者の生命に及ぼす影響を考えると,可及的に早期離床が得られる治療法が,積極的に考慮されなければならなくなつている.
我々が過去10年間に治療した,大腿骨頸部骨折331例のうち今回は,外側骨折151例につき,年齢,既往症および続発症,死亡率,手術侵襲,荷重開始時期などについて検討を加えた.また,6ヵ月以上の予後調査をし得た102例について,臨床成績とX線成績について検討したので報告する.
掲載誌情報