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臨床経験
骨肉腫に対するMethotrexate大量療法の経験—Methotrexate血中濃度と副作用との関係について
著者: 横川明男1 富田勝郎1 島巌1 宗広忠平1 中村孝1 清水俊治1 野村忠雄1 山田義夫1 千葉英史1
所属機関: 1金沢大学医学部整形外科学教室
ページ範囲:P.1077 - P.1084
文献購入ページに移動骨肉腫は,切断術を施行することにより,完全に病巣部を除去できるにもかかわらず高率に肺転移をきたし,死の転帰をとる予後不良の腫瘍である.骨肉腫の治療上,最大のポイントはいかにして肺転移を予防し,また治療するかにあるが,現段階では化学療法に頼らざるを得ない.
近年,欧米諸国で,high dose Methotrexateの骨肉腫に対する有効性が報告されて以来,本邦でも積極的に採用されるようになつてきた.われわれも,昭和52年より骨肉腫患者に対して,Adriamycin+Vincristine+high dose Methotrexate-Citrovorum Factor rescue(A+V+MTX-CF)療法を中心とする化学療法を試みている11).効果に関しては有効であるという印象を持つているが,まだ日も浅く,症例も少ないので判定するには至つていない.
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