文献詳細
文献概要
臨床経験
殿筋拘縮症の治療経験
著者: 和田文夫1 野村茂治1 佐田博己1 近藤正一1 佐伯満1 大石年秀1
所属機関: 1九州大学医学部整形外科学教室
ページ範囲:P.1193 - P.1200
文献購入ページに移動殿筋拘縮症は正坐すると股が開く,椅子に坐つて膝が組めないなどの症状を呈する大殿筋を中心とした股関節伸展および外旋筋のfibrosisである.すなわち正常股関節では屈曲位で約30゜程の内転が可能であるのに殿筋拘縮症では正中位あるいは内転位での屈曲が制限され,さらに屈曲しようとすると開排位をとる(第1図).
殿筋拘縮症の患者は三角筋拘縮症とともに稀で,1970年に豊田13),Fernandez1)が国内外で最初に報告している.以後発表件数は少なく我が国では約10件の手術報告があるにすぎない.1977年よりわれわれは3名の殿筋拘縮症を診断し,手術を行い経過も良好であるので症例を報告し考案を加える.
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