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臨床と基礎
著者: 野村進1
所属機関: 1金沢大学整形外科
ページ範囲:P.103 - P.103
文献購入ページに移動約25年前の日本整形外科学会では,その演題の大半が臨床的発表であり,基礎的研究は極めて少なかつた.当時の日本外科学会をみると,生化学,ホルモン,生理,病理,などの基礎的研究が多く,その広さと深さに驚いたものである.その頃の整形外科では,臨床的研究,あるいは臨床と直結した基礎的研究以外は問題としない傾向があつたように思う.所がどうだろう.1昨年京都での第14回SICOTでは,同時に第1回SIROT(International Research Society)がもたれ,整形外科に関する基礎的研究の発表が盛大に行われた.また昨年の第52回日本整形外科学会でも,臨床研究と基礎的研究の発表の会場を意識的に分ける試みがなされ,将来整形外科学会でも基礎分科会を分離独立する準備が行われた.このように整形外科においても基礎的研究は盛となり,これにたずさわる整形外科医の増加と共に,研究内容もより高度に,より広範囲になつてきている.ゆえに今日では臨床的研究でなければ研究でないと考える整形外科医は少なくなつてきた.
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