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特集 脊椎腫瘍(第8回脊椎外科研究会より)
原発性脊椎腫瘍—64治療例の検討
著者: 金田清志1 樋口政法1 野原裕1 小熊忠教1 本間信吾1 佐藤栄修1 松野丈夫1 山脇慎也2 藤谷正紀3
所属機関: 1北海道大学医学部整形外科学教室 2国立札幌病院北海道がんセンター整形外科 3北海道整形外科記念病院
ページ範囲:P.232 - P.241
文献購入ページに移動脊柱は体幹の中心支柱としての支持機構の役割と,脊柱管内で脊髄や馬尾そして根などの神経組織を保護する役割とを担っている.そのため脊椎が腫瘍でおかされると複雑な問題を提起してくる.臨床症状は変性疾患や炎症疾患と類似しており,その鑑別診断が重要である.原発性脊椎腫瘍は転移性脊椎腫瘍と比較すると頻度は少ないが重要である.原発性良性脊椎腫瘍は小児や若年者に多く,原発性悪性脊椎腫瘍は壮年層に多い.転移性脊椎腫瘍は如何なる悪性腫瘍からもおこり得るので(Francis & Hutter,1963)4),脊椎疾患診断にあたっては慎重を要する.過去20年間で当科にて治療経験した原発性脊椎腫瘍の検討をした.
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