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特集 脊椎腫瘍(第8回脊椎外科研究会より)
脊椎の骨巨細胞腫
著者: 川津伸夫1 山本利美雄1 荻野洋2 児島義介2 岡田孝三2 浜田秀樹2 小野啓郎2
所属機関: 1大阪厚生年金病院整形外科 2大阪大学医学部整形外科学教室
ページ範囲:P.252 - P.258
文献購入ページに移動骨巨細胞腫は長管骨骨端部,とりわけ大腿骨遠位部,脛骨近位部,橈骨遠位部に好発し,脊椎に発生することは稀である.諸家の報告では,骨巨細胞腫の中で脊椎のそれの占める割合は2〜7%で,仙骨を除いた脊椎に発生することは一層稀である(第1表).特に1940年Jaffe7)らによつて骨巨細胞腫の概念が確立され,動脈瘤性骨嚢腫aneurysmal bone cyst,孤立性骨嚢腫solitary bonecyst,良性軟骨芽腫benign chondroblastoma等のいわゆる"giant cell tumor variants"がはつきりと区別されるようになってからは,脊椎の骨巨細胞腫の報告は少ない.文献的に,脊椎の骨巨細胞腫を詳細に報告しているのはWhalley13)(1958)の4例,Berman(1964)1)の5例,Larsson(1975)8)の5例,Dahlin(1977)3)の31例,他にHess(1960)5),Sterner(1971)12),笹井(1961)18),加藤(1963)15),宇賀(1967)20),加藤(1968)16),井上(1977)14)らの1例報告を見るにすぎない.
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