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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科15巻4号

1980年04月発行

文献概要

シンポジウム CTと整形外科

CT診断の基礎と臨床—特に整形外科医のために

著者: 馬場博己1 松浦啓一1

所属機関: 1九州大学医学部放射線科学教室

ページ範囲:P.397 - P.403

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はじめに
 通常の単純X線撮影は三次元の構成をしている人体を透過したX線の吸収度を二次元のフィルム上に濃淡の差で表わすために,重複効果による混迷をさけることはできない.またX線による断層撮影は,立体構成の一断面を平面フィルム上に表わしているが,フィルム記録方式には,そのコントラスト描出能に限界があるため,組織間の微妙な吸収度の違いを表現することは困難である.人体の輪切り像を得る回転横断撮影法は,本邦においては高橋2)により完成,実用化されたが,前記の点では更に劣化された像しか得られなかつた.しかしながらここに述べるコンピュータ断層撮影法(以下CTと略す)と同じ理論より成立しているものである.CTは細いX線ビームを用いることにより散乱線の関与を少なくし,X線検出器に精度が高く,かつ広いダイナミックレンジをもつ測定器を使い,電子計算機によつて精度のよい再構成処理を行うことにより,人体の断面を二次元として表わし,微妙な組織間の吸収度の差を表現できるところに,従来のX線撮影と大きな違いがある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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