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シンポジウム CTと整形外科
脊椎・脊髄疾患へのCTの診断的応用—特にmetrizamide CTの診断的価値について
著者: 永瀬譲史1 井上駿一1 村田忠雄1 宮坂斉1 梅田透2
所属機関: 1千葉大学医学部整形外科学教室 2千葉大学医学部放射線医学教室
ページ範囲:P.414 - P.421
文献購入ページに移動Computed tomography(以下CTと略す)は1973年Hounsfield4)により脳病変の新しい診断法として報告され,その後Ledley5)らにより全身用CTスキャナーが開発されて以来めざましい発展をとげている.今日,CTは各分野において臨床的応用がなされており,脊椎外科領域においても諸家1,3,6,12)により本法の有用性が論じられてきている,著者らは1977年1月より各種脊椎疾患に対しCTを行い本法が体軸横断面での脊椎骨性病変を明瞭にとらえ得る有用な検査法であることを確認している.しかし,脊椎外科においては骨性病変のみならず脊髄そのものの位置,病的状態を正確に把握することが最も重要であるにもかかわらず,現在のplain CTでは困難であつた.そこで著者らは,現在当教室において頸椎より腰椎にいたる万能の水溶性造影剤として使用されているmetrizamideによるmyelographyの施行後にCTを行い脊椎のみならず脊髄を同時に撮像し非常に有用な情報を得,いわばcord monitoringとして手術術式の選択,侵襲路の決定に大いに役立つているのでその概要を述べ御参考に供したいと考える.
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