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人工関節手術と生体防禦
著者: 広畑和志1
所属機関: 1神戸大学整形外科
ページ範囲:P.451 - P.451
文献購入ページに移動ペニシリンが市場に現れた時も術後感染の予防に劇的な効果があつた.その後生体防禦反応や術後感染について無関心であつたのか優れた抗生物質は次々に生れた耐性菌のため早々と市場より消えている.今,人工関節置換に際して,術前・術後に長期間抗生物質を投与するのが常識となつている.抗生物質を使用しなかつた関節置換に感染率が低いという皮肉な研究成果が内外で報告されている.抗生物質を投与していても安全でないことを示唆し警告の意味で興味深い.同じようにbioclean roomで甘んじて手術をすれはば感染率が低くなるとは思えないが,その需要が多くなつたことはasepticの再認識の点で評価されよう.
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