臨床整形外科15巻5号

1980年05月発行

シンポジウム 先天股脱の予防

常滑市を中心とした先天股脱の予防活動

著者： 山田順亮¹

所属機関： ¹常滑市民病院整形外科

ページ範囲：P.461 - P.466

はじめに
　1975年4月，日整会において石田^1）が先天股脱の予防について発表して以来，本邦において次第にその予防についての見識が普及し，また先天股脱も徐々にではあるが減少しつつあるように思われる^2,3,4）．
　われわれも1975年5月以来，石田の理論に基づいて愛知県常滑市を中心として先天股脱の予防運動を開始し，その内容については，第23回日本小児保健学会^5）・第13回日本新生児学会，第51回日整会^6）・第27回東日本臨床整形外科学会・第53回中部整災会などを通じて逐次発表してきたが，4年近くを経た現在，その普及がほぼ完成されたものとなり，著しい成果が得られたので，われわれの実践方法について詳細に述べるとともに，それに伴つて生じた筆者自身の感じた2・3の問題点についても述べてみたい．