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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科15巻5号

1980年05月発行

文献概要

症例検討会 骨・軟部腫瘍20例

〔症例1〕左腸骨腫瘍(Mesenchymal chondrosarcoma)

著者: 松崎昭夫1 高岸直人1 岩崎敬雄1 葉山泉1 諫山照刀1 岩崎宏2 菊池昌弘2

所属機関: 1福岡大学整形外科 2福岡大学第一病理

ページ範囲:P.479 - P.482

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 患者:31歳男子.昭和52年10月頃より左股関節部痛を主訴とし,某病院で治療を受けていた.しかし痛みがとれず,53年1月中旬他の2病院を受診したが骨に異常なしと診断された.53年1月末来院,左腸骨窩の手拳大腫瘤を認め直ちに入院をすすめた.事情により遅れ3月30日当科入院.入院時腫瘤は明らかに増大していたが自覚症状は特に変つていなかつた.血液一般,血液生化学検査,尿検査には異常を認めなかつた.単純レ線写真で左腸骨と重なつた不定形,軟らかな石灰化陰影が見られたが(第1-1図),血管造影では異常を認めなかつた.CT像では左腸骨内側に大きな腫瘍が認められ(第1-2図),腸骨に接する部分より腫瘍内に向うような石灰化像が認められた.53年4月24日切除術施行.腸骨内側に沿つて剥離を進めると,筋の下に被膜に包まれたような表面平滑,弾性軟の多結節性腫瘍が腸骨と連なつて認められた.一部に筋との癒着を認めまた腫瘍に接する筋の一部が浮腫状,蒼白になつた部分を認めた.健康な骨部を充分含めて切除.腫瘍は12×10×7cmの大きさで切割には一部ノミを要した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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