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症例検討会 骨・軟部腫瘍20例
〔症例7〕脊髄硬膜外腫瘍(Maligriant lymphoma)
著者: 富田勝郎1 野村進1 真鍋昌平1 島巌1 宗広忠平1 中村孝1 野村忠雄1 清水俊治1 山田義夫1 松原藤継2
所属機関: 1金沢大学整形外科 2金沢大学附属病院検査部病理
ページ範囲:P.496 - P.500
文献購入ページに移動現病歴および現症,経過:昭和52年4月頃より腰痛を認め,53年4月よりparaparesisに陥り当科入院となつた.レ線像で第12胸椎右椎弓根部の骨破壊像を認めたので(第7-1図a),癌の転移の有無を検索したが見当らずmyelographyで第11胸椎レベル以下の完全ブロック像を認めたので(第7-1図b)椎弓切除術を行つた.腫瘍は第10胸椎から第3腰椎レベルの硬膜外後面を覆うように拡がり,第12胸椎右椎弓根を圧迫性に破壊しつつ傍脊柱筋群に浸潤するhour-glass shapeを呈しており完全切除は不可能であつた(第7-1図c).術後取り残し部位を中心に6,000radsのCo60照射,化学療法を行つた.術後1年3ヵ月の現在神経症状の改善なく病状の進展も認めない.臨床検査成績に異常なく原発巣も未だ見当らない.
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