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論述
環椎破裂骨折について
著者: 小林慶二1 須田公之2
所属機関: 1都立大久保病院整形外科 2慶応義塾大学医学部整形外科学教室
ページ範囲:P.548 - P.557
文献購入ページに移動従来はこの破裂骨折も後弓単独骨折と同様に保存的に治療されていた.1970年,Spence et al. 14)はこの骨折で見られる環椎側塊の側方転位が環軸関節の安定性に最も関与している横靱帯の断裂を伴うことに注目し,屍体による実験から側塊の側方転位の程度によつて保存的療法と観血的療法のいずれかを選択する試みを行つている.彼の研究以後欧米でHan5),Zimmer19),O'Brien12),Moati11)ら,本邦で鈴木15)らによるその治療面に関する追試が相次いでなされている.しかしSpencc et al.の実験を裏付ける臨床報告は少なく,諸家によつて治療方法もまちまちで,いまだ確立されたものとはなつていない.
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