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論述
変形性股関節症の自然臼蓋形成について
著者: 平井和樹1 加藤哲也1 伊藤邦臣1 増田武志1 深沢雅則1 薄井正道1
所属機関: 1北海道大学医学部整形外科学教室
ページ範囲:P.575 - P.579
文献購入ページに移動わが国における変形性股関節症は,先天性股関節脱臼,臼蓋形成不全等に伴う二次性のものが大多数をしめている.レ線学的にその経過を辿つていくと,関節症変化のほとんど認められない前関節症から骨破壊が高度で関節裂隙が消失した末期に至るまで,種々の像を呈してくる5).
変形性関節症の病期が進行するに伴い種々の場所に骨棘が形成されてくるが,骨頭および臼蓋の骨棘の形成はいずれも外側よりも内側においてより早期に始まり,増大する傾向がある.また股関節は他の関節に比較してその形成が著明であるように思われる.
骨頭および臼蓋に骨棘が形成された症例の中で,われわれは臼蓋嘴部にあたかも臼蓋形成術を施行したような骨棘が形成されている症例を時々経験することがある(第1図).
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