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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科15巻7号

1980年07月発行

文献概要

論述

先天性絞扼輪症候群について—先天性切断との比較

著者: 斎藤裕1 石井清一1 三浪三千男1 薄井正道1 村松郁夫1 荻野利彦1 三宅1

所属機関: 1北海道大学医学部整形外科学教室

ページ範囲:P.666 - P.670

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緒言
 先天性絞扼輪症候群(以後C. C. B. S.と略す)は,絞扼輪4)にacrosyndactyly7,14),切断,リンパ浮腫などを合併した独立した四肢奇形である(第1図).この奇形の成立機序を解明するための実験的研究は多いが5),手指の原基形成がほぼ完了した時点で,何らかの障害が加わつた場合に形成されるとする考えに意見は一致している13).一方,外表奇形として四肢の切断が主病変である奇形は先天性切断(以後C. A.と略す)と呼ばれている.この奇形は,developmental arrest(Patterson)9),limb bud arrest(Glessner)3),transverse deficiency(Swanson)11)などと表現されるように,四肢そのものが形成されてこない状態である.したがつて,C. C. B. S.にみられる切断と,C. A.は明らかに区別されるべきものであるが,その鑑別がまぎらわしい場合にも遭遇する.発現機序の異なる両奇形において,切断という現象にのみ目を向けた場合,両者の特異性を明確にしようとしたのがこの研究の目的である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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