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臨床経験
脛骨に発生した旁骨性骨肉腫1例の電顕的観察
著者: 太田信夫1 望月一男1 加藤正1 川井範夫2 平野寛2
所属機関: 1杏林大学医学部整形外科学教室 2杏林大学医学部解剖学教室
ページ範囲:P.695 - P.698
文献購入ページに移動旁骨性骨肉腫は比較的稀な腫瘍で1951年GeschickterとCopelandがparosteal osteomaとして始めて記載した5).それ以後いくつかの報告によりこの腫瘍は旁骨性に発育し,局所再発性が強く,骨肉腫と比べ遠隔転移は少なく予後もよいことが知られてきた.従来この旁骨性骨肉腫と鑑別される疾患として,骨外骨肉腫,骨軟骨腫,骨化性筋炎,骨肉腫などが挙げられている4),近年,旁骨性骨肉腫に関して臨床的,および病理組織学的にいくつかの報告が見られるが6,8),電顕的には十分解明されていない.今回われわれは,再発を繰り返すうちに悪性度を増し,やむなく切断に至つた脛骨近位部に発生した旁骨性骨肉腫の1例を光顕ならびに電顕的に検索したので報告する.
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